健康管理の悩み

腎臓病から愛犬を守る優しい食事は?注意すべき食品や調理方法について

犬の病気の中でも特に多いと言われている腎臓の疾患。その原因の多くは普段の食事とも言われています。

今回はその中でも手作りご飯の際に注意すべき食品や調理方法についてご紹介します。

腎臓の働きとは

腎臓の働きとは

口から入った食べ物は栄養が身体に吸収された後、残りを尿や便として体外に排出します。この時、水に溶けやすいものは尿となり、反対に溶けにくいものは便となるわけですが、腎臓はこの体内の不要物を尿にする役割を担っています

また、この他にも血圧を調整したり血液を作ったりする他、体内のミネラル分や水分の調整を行なっています。

これらの腎臓の機能が落ちることを腎臓病といい、これがさらに悪化すると腎不全となります。

腎不全とは

急激に腎臓の機能が低下して起きる急性腎不全と、数か月以上の長い時間をかけて腎臓の働きがゆっくりと悪くなる慢性腎不全があります。急性腎不全の場合は適切な治療を行うことで回復することがありますが、慢性腎不全の場合は一度失われた腎機能が戻ることはありません。

普段から腎臓に優しい食事を心がけてあげてください。

腎臓の健康を保つには

腎臓を健康に保つには腎臓に負担のかかる食べ物の過剰摂取を抑える必要があります。

腎臓に負担のかかる食べ物の代表としては、

  • タンパク質
  • リン
  • カリウム

…があげられます。飼い主さんがこれらの食品をコントールして食べさせてあげることで腎臓の健康を長く保つことができます。

腎臓に優しい調理方法

腎臓に優しい調理方法

ここでは手作りご飯を与える際に注意する腎臓に優しい調理方法を紹介します。

調理方法①|茹でる・水にさらす

食材は茹でる事によってその中に含まれるリンやカリウム等のミネラル分がほどよく水の中に溶け出します。

これによってミネラル分の過剰摂取を抑えることができます。

茹で汁には食材から溶け出たミネラル分が含まれていますので別の料理に使ったりせずに、しっかりと切るようにしてください。

また水にさらしておくだけでもミネラル分は溶け出します。どちらの場合も水との接触面を増やすために表面積が増えるよう細かく切ると良いでしょう。

調理方法②|食材の置き換えてみる

食材の置き換えも効果的です。

例えば肉の場合、低脂肪の部位は脂肪がない分、重量あたりのタンパク質量が多くなっていますので、ほど良く脂肪のついた部位に変えてみるのも効果的です。

また、今まで鶏のササミや牛フィレ肉等を使っていた場合なら鶏モモ肉や牛バラ肉に変える事で脂肪分が増え、相対的にタンパク質の量を下げることができるでしょう。

鶏ササミ等の低脂肪の肉の場合、タンパク質の他にリンも多く含まれている傾向がありますので注意してください。

エネルギー不足に注意する

エネルギー不足に注意する

タンパク質を制限するあまり必要カロリーが摂取できなくならないように注意しましょう。

犬の必要カロリーについては体重や年齢等で目安になる数値がありますが、愛犬の運動量や消化能力によっても大きく左右されます。

日々の食事の中で体重の増減や元気がなくなっていないか等飼い主さんが観察してあげることが必要です。

また、腎臓が弱ってくると食欲も一緒に低下していくことが良くあります。食事量が少なくなることで必要カロリーを摂取できずにさらに元気がなくなることもあります。

少ない食事量でも効率良くカロリーを摂取できるよう工夫してあげてください。例えば、

タンパク質や糖質は1gあたり約4kcalといわれているのに対し、脂質は1gあたり約9kcalです。このため食事をタンパク質から脂質に置き換えた場合、従前よりも少ない量で済むことがありますので参考にしてみてください。

腸内環境の悪化に注意する

腎臓の機能が低下すると尿の排出が多くなります

このため、体内の水分量が減り脱水症状になることで便秘を引き起こしやすくなるので注意が必要です。便秘になることで便が体内に溜まり毒素を発生して腸内環境の悪化につながります

便秘の解消には食物繊維を多く含んだ食事が重要です。食物繊維には水溶性と不溶性があり、これらはどちらもバランス良く摂取する必要があります。

水溶性食物繊維腸内細菌のエサとなり腸内の善玉菌を増やしてくれる
不溶性食物繊維腸内で水分を吸収することで便の排出を助けてくれる

最後に

腎臓の病気は一度かかってしまうと元の状態に回復することは非常に難しいと言われており、普段から予防を意識した食事をすることが重要となります。

よく食べるからといって好きな物ばかり食べさせていると気が付いたら取り返しのつかないことになっていた、なんてことが起こらないよう飼い主さんがしっかり管理してあげてください。

この記事をあなたのペットライフに役立てていただければ幸いです。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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  • この記事を書いた人

ささみ

ペット栄養管理士、ドッグトレーナーの資格を持ち、人生の大半を犬にまつわる仕事に携わってきました。現在は、これまでに得た知識や経験を活かし、会員数2000人のオンラインサロンのオーナーを務めています。 他のサイトでは掲載されていない独自の切り口で情報発信しつつ、ミニマリストに暮らしています。