ふと犬の匂いを嗅いだら、なんだか嫌な匂いがする!サロンにも行けないしひとまず家で洗ってあげたい、そう思った時に犬がお風呂を嫌がり大暴れしてしまった…なんて経験をしたことはありませんか?
お風呂が嫌いな犬は少なくありません。犬はどうしてお風呂を嫌がってしまうのでしょうか?嫌がらずにお風呂に入れる方法は?そんな悩みを抱える飼い主さんたちに、犬をお風呂に入れるコツをご紹介します!
もくじ
お風呂嫌いの犬を素直に浴室にいれる秘策とは?どうしてお風呂を嫌がるの?
犬がお風呂を嫌がってしまうのには必ず理由があります。最初から怖がってしまう犬もいますが、実は過去のお風呂での体験が影響していることも多いようです。中でも大多数の犬が嫌がりやすい原因をご紹介します。
①シャワーが怖い
犬は人間よりも聴覚が鋭いです。その聴覚は人間の約4倍とも言われており、その耳の良さ故にお風呂場で響くシャワーの音がとても大きく聞こえてしまい、怖くて怯えている場合があります。また、突然水が出てくることや体に当てられることにびっくりしてしまう子も。私たちはシャワーからお湯が出てくることをよく理解していますが、犬はどうして水が出てくるのかわからないので、怯えてしまうのです。
②無理矢理押さえつけられたことがある
シャワーやお風呂を嫌がって暴れる犬を無理に押さえつけたことはありませんか?慣れない場所で不安な中、身動きが取れないよう押さえつけられることは犬にとってとても怖く、ストレスと不快感ばかりが残ってしまいます。緊急事態を除き、嫌がる犬を無理に押さえつけることはなるべく避けたいですね。
③お湯が熱い、シャワーの圧が強い、ごしごしと洗われて痛かった
犬の皮膚も人間と同じく、外側から「表皮」「真皮」「皮下組織」の構造で成り立っています。毛皮に覆われているので皮膚も強そう、と思っていませんか?実は犬の皮膚は一番外側を覆う「表皮」の角質層が人間の1/3程度しかなく、刺激や乾燥に弱い非常にデリケートなものなのです。
これは人間の赤ちゃんよりも薄いですから、とても繊細な構造だということがわかりますね。毛に守られていない分、人間の方が厚くて丈夫な表皮を持っているのです。
このように繊細な皮膚を持っているため、私たちにとっては適温と感じている温度も犬にとってはとても熱く感じてしまいます。もちろん冷たすぎるのもNGです。同様にシャワーの圧が強すぎて痛い思いをした、強く擦られた、などの経験からお風呂を嫌がる場合も。
④シャンプーの匂いが嫌い
先程犬の聴覚は約4倍と言いましたが、嗅覚はその上をいく数千倍、一億倍とも言われています。飼い主にとっては良い匂い、微かな匂いだと思っていても犬にとっては強すぎる匂いに感じていることも。
また、人工的な匂いや刺激の強い匂いを嫌がる犬も。犬用のシャンプーは犬に優しい香りが設定されていることがほとんとですが、お風呂場には人間用のものも置いてありますね。人間が入った直後など匂いが強く残っている時は避けた方がベターでしょう。
⑤自分の匂いが消える
シャンプーの匂いを嫌がることにも通じますが、自分の匂いが消えてしまうことを嫌がっている場合も。犬同士のコミュニケーションとしてお互いの匂いを嗅いでいることからも、自分の匂いが犬にとってとても大切なものだということがわかります。
お風呂嫌いの犬を素直に浴室にいれる秘策とは?お風呂に慣れるためのステップ!
プロに頼るのも良いですが、お家で気軽にお風呂に入れることができたら良いですよね。けれど暴れてしまっては犬も飼い主さんも疲れてしまいます。お風呂が嫌いな犬のために、慣れてもらうためのコツを解説します!
①お風呂=楽しいと思わせる
どんな時でも犬に何かを教える時は「楽しい」と思わせることがコツです。お風呂は他の部屋と違い、狭く閉鎖的な空間です。声が響いたり、湿度が高くむわっとしていたり、犬にとっては意味がわからず怖いことばかりが起きてしまいます。
お風呂場におもちゃを持ち込んで遊んだり、おやつをあげたり、浴室に向かう=楽しい、嬉しい、と学習させることが重要です。既に嫌な経験をしている犬でも、楽しいことを続けていけば学習し直すことができます。焦らずコツコツと慣れさせていくことが大切ですので、飼い主さんも気長にお風呂の練習に取り組んでいけると良いですね。
②水への恐怖心を無くすステップを踏む
いきなりシャワーをかけてしまうと、一気に恐怖を煽ってしまいお風呂嫌いになってしまう可能性が高まります。まずは水に慣れてもらうため、浴槽などに数センチ程度のお湯を張り、その中で遊んでみるのも良いでしょう。この時、顔を濡らしてしまうととても嫌がってしまうことが多いので、まずは足元だけというのがポイント。お湯を張った浴槽でひっぱり遊びをしたりして水に慣れてきたら、今度はシャワーに挑戦です。シャワーをかける時も足元だけにかけるようにして、大きな音を立てないよう弱目の水圧や体や地面に近い位置からかけることを意識しましょう。
嫌がらずに頑張れたらご褒美でおやつをあげるのも良いですね。足元へのシャワーに慣れてきたら徐々に上に上げていき、お尻や腰、首元と全身にお湯をかけていきましょう。温度も重要で、お湯が熱すぎると火傷をしてしまったり、必要以上に疲れてしまうことも。37度前後のお湯が良いと言われています。
③シャンプーに気をつける
匂いの強いシャンプーは使用せず、無香料やほのかに香る程度のシャンプーを使用しましょう。また、人間用のシャンプーは絶対にNG。人間は弱酸性、犬は中性〜弱アルカリ性と肌質が全く違います。
人間用のシャンプーは犬の皮膚に合わないことが多いため、必ず犬用のシャンプーを使用しましょう。また、ゴシゴシと強く擦ると嫌がることが多いので、マッサージをするように優しく洗ってあげましょう。毛の奥にシャンプーが残ったままにしてしまうと皮膚が荒れてしまう原因になります。
お風呂を経て皮膚が荒れてしまい痒い、痛いということが起こるとこれもお風呂嫌いの原因になってしまいます。しっかりとすすぎを行い、シャンプーが残らないように気をつけましょう。
④部屋の室温に気を配る
お湯を使うのでどうしても湿度も室温も上がってしまいますが、シニア犬は抗湿度の場所で体調を崩してしまうこともあります。窓があれば窓を開けたり、換気扇を回すなどして適切な温度を保ちましょう。特に夏場は熱中症になってしまうこともあるので、高温になりすぎないように注意しましょう。
犬がお風呂を嫌がる原因の多くは「恐怖心」です。最初のうちはただ足元だけ濡らして一緒に遊んであげるだけでも構いませんので、何日も繰り返して慣れてもらいましょう。焦って進めてしまうのは逆効果。シャンプーができるようになってからも、短時間で手早く済ませられるように意識しましょう。
まとめ
- お風呂嫌いの犬、大多数の原因は「怖いから」
- まずは足を濡らすだけでもOK、コツコツと焦らず慣れさせる
- お風呂場=楽しい場所と思ってもらう!
- 犬の肌は人間の赤ちゃんよりデリケート。優しく洗ってあげよう
いかがでしたか?お風呂を嫌がってしまう犬が少しでも楽しく過ごすためには、飼い主さんの工夫が重要です。一緒になって楽しむような気持ちで、愛犬のお風呂嫌いを克服できるといいですね。