しつけの悩み

犬の噛み癖をかんたんに直す方法。正しいしつけや対策方法を解説

犬の噛み癖に悩まされたことはありませんか?おもちゃだけではなく家具を噛んだり、人間や他の犬に噛み付いてしまってトラブルになった、なんていう経験をした飼い主さんもいるかと思います。

どうして噛んでしまうのか、噛み癖を改善するための方法を解説します!

そもそも噛んでしまう理由は?

言葉で伝えられない犬が表現するためには、行動で示すことがほとんどです。また、じゃれついたり、遊んでいる過程で甘噛みをすることも、犬にとっては普通のこと。ただし、噛んでしまって怪我をさせるのは絶対にNG。では、その加減はどうやって学んでいくのでしょうか?

犬の社会では、子犬がある程度育ってくると、母親やきょうだい犬たちで噛み合い遊びをはじめます。適切な加減で噛んでいるときは互いに楽しく遊び続けますが、つい力が強くなってしまったときには遊びが中断しますし、母犬相手であれば強く声を出して力加減をしつけていってくれるのです。

こうして自然に力加減を学び、人の手に渡ったあとにも、飼い主さんの手を優しく噛むような「甘噛み」ができるようになります。では、適切に学ぶ方法がなかった犬はどうなるでしょう。犬は本能的に「噛む」という行為を備えています。それは先に述べたような、じゃれあいでするものから、相手を攻撃するためまでさまざまです。

犬にとってはじゃれついて噛んだつもりが、学ぶ機会がなかったために必要以上に強く噛んでしまい、飼い主に叱られます。しかし犬にとっては遊んでいるつもりですから、どうして叱られたのかもわからずまた噛んでしまう、という負のループが生まれてしまうのです。

その他にも、他の犬と交流する機会がなかったために、恐怖心から身を守るために噛んでしまう、歯の生え替わり、ストレス…など、噛んでしまう原因はさまざまです。

噛んでしまう状況から考える

①飼い主や他の犬と遊んでいるつもり

先に述べた通り、じゃれあう中で軽く噛み合うのは犬社会のコミュニケーションの一環です。飼い主に対する甘噛み程度なら良いですが、痛みを強く感じるほどに噛んでしまうようなら、適切な噛む強さを教えたり、そもそも人間と暮らす上では噛んでは行けないということをしつけてあげる必要があります。

②歯が生え変わる時期なのでかゆい

子犬が乳歯から永久歯に変わるときは歯茎がむず痒く、何かを噛み続けてしまうことがあります。おもちゃだけではなく家具の脚など丈夫で噛み続けられるものを好むでしょう。この場合は一時的な物で長くは続きません。しつけというよりグッズで対処することができるでしょう。

③退屈、ストレスを感じている

退屈やストレスを解消するため、近くにあるものをなんとなく噛んでいるという場合もあります。この場合、ものだけではなく自分の手や尻尾を噛んでしまうことも。そうなると傷から細菌が入り炎症につながる原因になりますから、早急にやめさせる必要があります。

また、普段は噛まない犬でもストレスが溜まったことにより、発散行動のため噛んでしまうこともあります。様子を観察し、適切な発散方法を与えてあげましょう。

④身を守るため

噛むという行為は身を守るためにも使われます。たとえば、知らない人に急に触られる、寝ていたところを触られるなど、犬にとっては突然のことですから驚くのも当然。手で払い除けることはできませんから、結果的に噛み付くことで身を守ろうとしているのです。

その他にも、飼い主が気づいていない怪我が隠れていることもあります。触ろうとした場所に傷があったり痛みを感じたりしていて、そこから逃れるために噛み付いてしまったのかもしれません。普段噛まないような大人しい犬であれば、特に注意深く観察し、場合によっては病院に連れて行ってあげる必要があります。

犬の噛み癖、原因別対策・しつけ方法

犬の噛み癖といっても、さまざまな原因があることがわかりましたね。それでは、状況別に対策方法を考えていきましょう。

①じゃれつきなど飼い主に対する噛み癖対策

まず、噛まれたときに飼い主が大騒ぎすることは絶対にNGです。大騒ぎすることで犬は遊んでくれていると勘違いしてしまい、ますます興奮し噛んできてしまいます。これと同じ理由で、大きな声でヒステリックに叱りつけるのもよくありません。「悪いことをした」ということが犬に伝わらないどころか、遊んでくれていると勘違いして興奮する、大きな声に覚えてますます噛み癖が強くなってしまうことも。

基本的には無視をするか、落ち着いた声で「痛い」「ダメ」などの短い単語で叱ることが効果的です。ただし、このときに毎回違う言葉を使うと犬も混乱してしまいますから、噛まれたときに叱る言葉は統一しておくと良いでしょう。

その他にも、噛まれたら「痛い」「ダメ」などの言葉で叱ったのち、部屋から出て犬を1匹だけにすることも良いでしょう。これによって、噛んだら飼い主がいなくなる、楽しくなくなると言ったことを学習できるからです。この場合、部屋におもちゃやおやつがあって、1匹でも楽しめる状況の場合は成立しません。あくまで「噛むと楽しくないことが起きる」と学習させることが重要です。

②歯の生え変わりによる噛み癖対策

これは成長に伴い必ず生じる問題なので、叱って改善するものではありません。人間を噛むよりも物や犬自身に向かうことがほとんどなので、グッズや環境を整えることで改善していきます。固くて長時間噛めるようなおもちゃを与えることが最も効果的です。

家具の脚を噛んでしまうようなら、しつけ用のスプレーをかけても良いでしょう。噛んでほしくない場所にスプレーをすると苦い味がするので、噛んだり舐めたりしないようになります。物だけではなく手足や尻尾にも使えるので、状況に応じてスプレーしてあげましょう。あくまで補助的なアイテムなので、スプレーをメインに使うのではなく、痒みを紛らわすためのおもちゃを与えた上で使うと良いですね。

③退屈やストレスによる噛み癖対策

ストレスの原因を取り除いたり、発散させてあげる必要があります。原因が運動不足なのであれば、散歩に連れ出す時間や回数を増やしてあげると良いですし、仕事などであまり長時間連れ出せないという場合は家の中でたくさん遊んであげることで改善が見込めます。

小型犬でも最低30分は散歩などの運動が必要といわれていますから、まずは犬種ごとの必要な運動量を知り、愛犬がその運動量を満たせているかを調べてみましょう。

④身を守るために起きる噛み癖対策

これに関しては人間側の配慮が足りない場合がほとんどです。信頼関係ができていないのに急に触ろうとしたり、寝ているときに触ろうとしたり、犬にとって恐怖を感じるようなことをしていませんか?

慣れている飼い犬なら良いですが、まだ警戒している場合は急に頭の上や口元に手を伸ばすのではなく、少しずつ近づいて匂いを嗅がせるなど徐々に慣れてもらう必要があります。また、散歩中であればリードを短く持ち、犬が飛びかかったりしないよう気をつけるなどの配慮も必要です。

まとめ

  • 犬の噛み癖には、きちんとした理由がある
  • 場合によっては怪我などがかくれていることもある
  • 原因を突き止め、状況別の対策方法を行う

いかがでしたか?人間にとっては噛み付くという問題行動でも、犬にとっては何かを伝えるための手段であったり、コミュニケーションの一環だということがわかったと思います。

噛み付いてしまう原因を探ってしつけてあげることで、お互いに安心して過ごすことができます。人間と楽しく暮らしていくためにも、私たちが気を配ってしっかりとしつけていきましょう。

  • この記事を書いた人

ささみ

ペット栄養管理士、ドッグトレーナーの資格を持ち、人生の大半を犬にまつわる仕事に携わってきました。現在は、これまでに得た知識や経験を活かし、会員数2000人のオンラインサロンのオーナーを務めています。 他のサイトでは掲載されていない独自の切り口で情報発信しつつ、ミニマリストに暮らしています。